ヒット曲にはハーモニーの意外性が必要⁉Childish Gambino「This is America」を科学的に分析したら驚きの結果が!

先日、1958年から2019年までの米ビルボード・ソング・チャートのヒット曲を分析した最新の研究結果が、学術誌Frontiers in Human Neuroscienceに掲載されました。

この研究結果によると、ヒット曲はリスナーを惹きつけるために「ハーモニック・サプライズ」が増加しているという研究結果が明らかに。
「ハーモニック・サプライズ」とは、音楽がリスナーの期待から逸脱するポイントのこと。

数十年にわたるポピュラー音楽の研究で、ヒット曲には、和音の意外性が高いことがわかりました。例えば、標準的なハ長調のコード進行(C、G、F)こだわるのではなく、比較的珍しいコードを取り入れているということです。ヒット曲は、このようなサプライズに加えて、キャッチーなコーラスなどの共通点も持っているそう。

さらに今回の研究では、ポピュラー音楽における「ハーモニック・サプライズ」は数十年の間に増加していること、Childish Gambinoの「This is America」が最も「ハーモニック・サプライズ」を起こしている楽曲のひとつであるということもわかりました。

Childish Gambino「This is America」


「This is America」は、2018年にリリースされたChildish Gambinoによる大ヒット・シングル。
バックグラウンド・ヴォーカルには、Young Thug、Slim Jxmmi、BlocBoy JB、21 Savage、Quavoが参加。第61回グラミー賞において「年間最優秀レコード賞」「年間最優秀楽曲賞」「最優秀ラップ/サング・パフォーマンス賞」「最優秀ミュージック・ビデオ賞」の4部門を受賞しました。

研究によると「This is America」は、Dマイナー/B♭メジャーのコード進行を変えることで、ヴァースに驚きの要素があるだけでなく、2分56秒(ミュージックビデオでは3分17秒)のリフレインでは、一瞬Fマイナーキーから離れ、EマイナーとAマイナーのコードが登場し、その後は元のキーに戻ります。

上記の部分などが「ハーモニック・サプライズ」に該当するとのこと。

なぜ、ヒット曲にこのような傾向があるのかというと、和音の驚きが多い曲を聴くと、神経の報酬系が刺激され、ドーパミンが放出されるからだと考えられているそう。

あなたの好きな楽曲にも「ハーモニック・サプライズ」が隠されているかもしれません。