7月30日にPRINCEの最新アルバム『Welcome 2 America』がリリースされました。今作は、2010年の春にレコーディングされたもののお蔵入りとなっていた“幻のアルバム”です。

孤高の天才=PRINCE

2016年4月21日に57歳の若さで急逝したPRINCE。これまでにグラミー賞を7度受賞、アルバムのセールスは累計1億2千枚以上を記録するなど、今もなお全世界のアーティストや音楽ファンに多大な影響を与え続けている唯一無二の存在です。

PRINCEの自宅兼スタジオだったペイズリー・パークの金庫には、8,000曲にのぼる未発表曲があり、『Welcome 2 America』は、そんなペイズリー・パークの金庫からリリースされた初めてのアルバムとなります。

“幻のアルバム”『Welcome 2 America』とは

今作は、人種差別、搾取、情報操作、セレブリティ、信仰、資本主義など、世界が直面している社会問題に対し、PRINCEが抱いた懸念、心願った希望、描いた未来などを詰め込んだ作品。

ゴシップに溢れるテレビやネットからの情報過多や音楽業界への不満、アメリカ合衆国の国歌にある歌詞の一部を揶揄するなど、痛烈な批判が込められた「Welcome 2 America」、宗教をめぐる対立を歌ったラテン・ファンク「Same Page, Different Book」などを収録。

メッセージ性の強い作品ではありますが、不倫をテーマにしたロック・ファンク・ストンプ「Check The Record」や、官能的なファルセット・バラード「When She Comes」なども織り交ぜられており、アルバムの制作時、常にバランスを重視していたというPRINCEのこだわりが感じられます。

PRINCEは、2010年のレコーディング時に次のようなコメントを残しています。
「世の中は偽情報に溢れかえっている。George Orwellが警告していた未来そのものだ。僕たちはこのようなチャレンジングな時代を信念曲げずに生きなければならない。」


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