ハイトーン・マニアも唸る!低音ソロの魔法使い、Reginald Chapman
Photo Credit:Elijah Harris

凄まじい音楽愛を武器に第一線に立つ人物

バージニア州ウィリアムズバーグ出身、2018年からはニューヨークのブルックリンに移り住み現在も精力的に活動しているマルチ楽器奏者、Reginald Chapman

No BS! Brass BandやLucky Chopsを始め、多くのバンドのクレジットに名を連ねる彼の音楽愛は凄まじく、バージニア・コモンウェルス大学でクラシックバストロンボーンの学士号を取得し、現在は同校の非常勤教授として音楽教育にも携わっています。

またイリノイ大学のジャズトロンボーンアンサンブルのメンバーでもあり、イリノイ大学では修士号と博士号を取得。アーティストとしてのみならず、音楽を愛する者として自身の為、そして後進の為に様々な場で活躍しています。

バストロンボーンへの印象を覆すソロデビュー・アルバム

2018年、彼が自身の名義で始めてリリースしたアルバム「Prototype」は驚きと発見に満ちた一作です。

トランペットやサックスなど大勢のホーン・セクションの面々を背にテクニカルで軽快なソロを魅せるさまは一般的にアンサンブルの縁の下の力持ちとしての存在であったバストロンボーンのイメージを容易く破壊してくれることでしょう。


ジャズをルーツにヒップホップ的なビートのアプローチ、滑らかなホーンアンサンブルなど、Reginald Chapmanが持つ編曲家としての才能を存分に感じ取れる音楽的な楽しさを前面に押し出した1枚は、管楽器奏者や楽器経験者だけでなくどんな人でも楽しめるエネルギッシュな作品となっています。

思わず目を疑うトリガーの魔法

Reginald Chapmanの演奏は、数多くの作品で耳にすることが出来ますが、せっかくなら是非耳だけではなく目も思いきり駆使して感じ取って頂きたいと思います。

今回は彼が創立メンバーでもあるNo BS! Brass Bandのライブからピックアップ。

ソロ作品とは違いストリート色を前面に押し出しながら、ほとばしる生命力と居ても立っても居られなくなるような衝動を確かなテクニックと見事な一体感で表現しています。

冒頭、2本のトリガーを駆使して通常トロンボーンは不得意とされるスピーディなフレーズを吹ききる姿はもはや感動的。ビリビリと鼓膜が痺れる低音ソロから、大迫力のパワフルなアンサンブルまで余すことなくお楽しみください。

無限の可能性と新しい未来

Reginald Chapmanは音楽・楽器への愛情を全力で注ぎ続け、バストロンボーンがジャズにおける花形楽器のように扱える事、そしてトリガーテクニックによるバストロンボーンの可能性を確かに証明しました。

ですが、彼が追求する音楽の道はこれで終わりではありません。

デビュー・アルバム「Prototype」の名の通り、彼が作り出す未来には更なる革新が待っている事でしょう。

Reginald Chapman - Prototype
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