Vibing With The Vibes

鉄琴の一種であるVibraphone(ヴァイブラフォン/ビブラフォン)、略してVibes(ヴァイブス)。まさにVibes(楽器)でもって、ありとあらゆるVibes (雰囲気)を作り上げるJoel Ross

トレードマークのドレッドヘアーにカラフルなキャップ、鮮やかなダシキのシャツやポップカラーのトップスといった、カジュアルでありながらもスタイリッシュな出で立ちの23歳。

60年代より活躍するジャズピアニストのハービー・ハンコックやジャズ界を代表するヴィブラフォニストであり、ジョエルの師でもあるステフォン・ハリスらを始めとする数々の大御所プレイヤーらはもちろん、若手ジャズトランペット奏者のアンブローズ・アキンムシーレ、若手ジャズピアニスト、ジョン・バティステなどの今注目のコンテンポラリなアーティストとも共演を成功させてきました。

2016年 Biamp PDX ジャズフェスティバルにおける、"ジャズ・フォワード"というコンクールで1位を獲得。

また、オランダのアムステルダムで毎年開催される"Keep an Eye インターナショナル ジャズアワード"という若手のジャズアーティストを対象とするコンテストでも優勝するなど、その実力はお墨付きです。

シカゴ生まれの彼がビブラフォンに出会ったのは10歳の頃。クラシックとジャズに傾倒し、その技術力を着々と築き上げたジョエル。

時には踊るように、また時には歌うように演奏する彼を見ていると、ビブラフォンはもはや彼の体の一部であり、声であるように思えてきます。

メジャーデビューアルバム『KingMaker』を、ブルーノートからリリース!

2019年5月に自身初のデビューアルバム『KingMaker』をブルーノートレコードよりリリースしたジョエル。ジャケット写真には実の母と双子の兄それに彼自身が映る写真。

アルバムタイトルと同名の曲は母に捧げる曲であるように、今作には母をはじめとする家族や、これまで彼に影響を与えてきた者たちへの敬意が込められています。

すでに何巡も繰り返し聞いているこのアルバムの中で私が一番好きなのは1曲目のTouched by An Angel。圧倒的な技術力から放たれる正確でかつ雰囲気たっぷりのソロに始めから心を奪われます。

かと思えば、幻想的な和音で、まさにタイトルのごとく天使に優しく撫でられているかのように始まるイントロ。緩急と強弱のバランスが抜群で、その表現力にあなたもきっと心奪われること間違いなし!

最高の相棒だとジョエルが信頼するイマニュエル・ウィルキンスの良く歌うサックスがさらに気分を高揚させてくれます。

今回のアルバムに収録されている13曲中12曲の作曲も手がけている、才能溢れる若きビブラフォニスト。これからのジャズ界にどのような”Good Vibes”を巻き起こしていくのか、楽しみなアーティストです。

Joel Ross - KingMaker
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