あの時、確かに日本はWagner Loveに沸いた。名作「Everything About」

突如現れた新星、ポストMaroon5と呼ばれたバンド

Wagner Loveはドイツ出身のロックバンド。
誤解を恐れず表現するのであれば「耳障りが良く、日本人ウケするお洒落な雰囲気とキャッチーなメロディ」が特徴で、2008年にリリースされた本作「Everything About」は数多くのショップでも大々的に取り上げられ、当時CDショップに通っていた人ならば見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。

 

ファンク、ソウル、ギターポップなど幅広いアプローチ

イントロから全力のカッティング・ギターをもってリスナーを歓迎し、バランスよく落ち着きのあるリズム・セクションやラウンジ感のあるキーボードが「お洒落」なコードワークをもって「あ、良い!」と思わせるパワーを持った1曲目「Doin’ It」。

粘度の高いリズムセクションが大人の空気を誘い込むしっとりとした魅力に富む「Never Be The One」や「Long Road」といった楽曲は、Maroon5と比較されるのも納得のアプローチ。

爽やかで、ギターポップ周辺層のファンにも刺さりそうな楽曲「OneTwoThree」など、ジャンルレスな楽曲群と、少々粗削りなミックスの物足りなさ故の「原石を見つけた感じ」なんかも相まって音楽ファンの心を掴みました。

 

予想外の人気に戸惑いながらも日本ツアーまで

日本においては本作はしばらく遅れての発売だったこともあり、おそらく当人たちからするとターゲットとしては認知されていなかったと思われますが、レコード会社やショップの努力もあり日本の音楽ファンはWagner Loveに沸き、予想をしなかった場所からのラブコールに当時戸惑ったこともあった様ですが来日公演も実現しています。

残念ながらバンドは解散状態に

2015年には2枚目のアルバム「Giorgio」をリリースしたWagner Love。
しかし現在、解散に伴う諸般の関係か日本からはストリーミングサービスなどで聴くことができず、「Giorgio」は幻の作品となってしまいました。

それでも彼らの渾身の作品「Everything About」は今聴いても決して古臭くなることのない色鮮やかな世界に導いてくれる名作。

CDを手にしたことがある方も、そうでない方にもおすすめの一枚です。

 

Photo by Wokandapix from Pixabay

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