LANYのアルバム「kinda」に、恋する日常の美しさを再認識する。

ロサンゼルスを拠点に活動するインディー・ポップバンド、LANY。

LANYが結成されたのは2014年。
それまで様々なバンドで活動を続けていたヴォーカルのPaulは、得も言えぬ焦燥感から大学の友人であるLesとJakeに声をかけたことをきっかけに活動が始まります。

お互いがお互いを尊敬する良き友人でもあった彼らは、活動の為に一つ屋根の下で生活を共にする事を決め、近年まではお世辞にも広いとは言えないアパートの一室から全世界に向けて発信を行っていました。

「音楽」を最優先にして造られたもの。

レコーディングの為の大がかりな機材などは決して用意することが出来ない環境で、手持ちのもので最善の選択肢を選ぶ努力を続けた彼らはノートパソコンを駆使し、シンプルなビートのトラックに上質なメロディ、限られた環境を最大限に活用した作品を生み出していきます。

2016年にリリースされたアルバム「kinda」においてもその持ち味は存分に発揮されており、決して派手でも壮大でもなく、まるで隣に寄り添うような日常感のあるトラックに、誰もが共感してしまうようなリアルな歌詞が魅力。

小手先ではなく、直球だからこそ伝わる力

無理に生音に近づけず、エレクトリックさを残したドラムとヴォーカルだけのシンプルな構成から始まり、その後も極力シンプルな構成で、吹き抜ける風のように爽やかな空気を運ぶ「like you lots」。

ふわりとした柔らかいシンセ・サウンドを纏い、恋人への素直な気持ちを、恋人が出来る前の自分と照らし合わせたりしながら伝える真っすぐで甘酸っぱい「pink skies」など、複雑であっと驚くような展開は用いず、ストレートに音楽と言葉の力を伝える楽曲群はどれもが日常的で、そんな日々の素晴らしさを改めて教えてくれるような作品となっています。

2019年に行われたジャパン・ツアーも大成功を収め、2020年もフェスなどを中心に予定が発表されており、今後のスケジュールも期待されるLANY「kinda」は2016年の作品ですが、近年の作品と比較しても決して見劣りしないクオリティの楽曲で埋め尽くされています。

上質なサウンドと一緒に、ドキドキしたい時におススメの1枚です。

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