5人の若者が、多くの音楽ファンを魔法にかけた

スペイン出身の5人組バンド、Polock。

2010年にリリースされたデビューアルバム「Getting Down from the Trees」はキラキラと眩いポップサウンド、青春の景色が駆け巡る爽やかで少しの切なさを併せ持つ秀逸なメロディが高揚感を誘い「ポップソングの魔法使い」「スペインのPhoenix」などと称され高い評価を受けました。

直視できないほど眩しくて、息を飲むほど色彩豊か

ちょっぴり不機嫌そうなジャケット・デザインとは裏腹に出だしから煌びやかで開放感のあるサウンドが否応なく気分を底上げしてくれる「High on Life」に歓迎され、曲間に一息ついたかと思えばオリエンタル風味なイントロから一転、爽やかな夏の空気を運ぶ「Fireworks」へ続きます。

アコースティックギターのアタック音が心地よく、ふわふわと漂うシンセ・サウンドに体を預けてしまいたくなるような「Faster Love」や、ほんのりとビターな導入から、妖艶な動きのベースと、シンプルながら安心感のあるビートのドラムが映す夕凪を思い起こさせる楽曲「Defenceless」など、通して聴き終える頃には大満足のハッピーエンドを迎えた後にも似た、晴れやかだけれど、終わってしまったことが少し切なくなる様な後味を体験させてくれます。

4年後にリリースされたセカンドは、大人びていてダンサブル

彼らの2枚目のアルバムとなる「Rising Up」は、前作と比較して全体的に纏う空気はほんのりとダーティでありながら熱量は高く保たれていて、より踊れる楽曲が多くなった印象。

4年間の活動と彼ら自身の成長で、特にビートメイクという点では大きな成長が感じられ、時折複雑に絡みあったりするドラムとベースのタフさに着目することでまた違った楽しみが得られる味わい深い作品となっています。


2月にリリースしたばかりのアルバム「Romance」は、そのキャリアに裏付けされたハイレベルなアレンジ、哀愁とお洒落さが背中合わせになったような都会的なサウンドがまた魅力的。

アルバムごとに色合いは違うものの、その都度カラフルな世界を見せてくれるPolock。改めて順を追って聴いてみるのもおすすめです。