個性って美しい。French Vanillaのセカンドアルバム「How Am I Not Myself?」
Photo Credit:Lizzie Klein

LAのDIYミュージックシーンから飛び出した注目のバンド

近年、ロサンゼルスのインディーミュージックシーンを中心に話題のバンド、French Vanilla。
ポストパンクシーンを中心に、ジャンルからジェンダーまで、あらゆる線引きをものともしない自由な活動スタイルと楽曲は多くの人の心を掴み、音楽のみならずカルチャークリエイターとしても高い評価を獲得しています。

French Vanillaの武器、無限の創造性が生み出した30分41秒。

2019年、デビューアルバムから2年後にリリースされたセカンドアルバム「How Am I Not Myself?」は、彼らの自由な発想が光る、奇妙でとても愉快な融合を実現した作品です。

強烈な癖と豊かな感情表現を使いこなすハイレベルなヴォーカル。上品なプレイとは対極をなす、型破りでとてつもない爆発力をもつテナーサックス。時折ハッとさせられるようなベースのうねりや、突如顔を出す聴きなれないコード進行といった具合に、一つ一つ挙げていけばキリがないようなエキセントリックな楽曲は聴く人を飽きさせないつくりになっています。

多様性を受け入れ、闘うバンド

アルバムのタイトルが表すように自己の確立と自由・多様性を掲げた彼らはジェンダーをはじめあらゆる多様性を愛し、それを妨げるものに立ち向かう姿勢を決して崩さず、力強い足取りで歩み続けています。

奇妙で力強く、ユーモアと彼らの信念がぎっしりと詰まった「How Am I Not Myself?」。国や人種、性別を越えてあらゆる人におすすめの1枚です。