心を着飾るアーバン・サウンド。Jarami「Sketches」
Photo:Press

スウェーデン、ストックホルムで活動する二人組。Jarami。

2015年から活動を開始したJaramiは、これまでにCamila CabelloやFrank Ocean、さらにはJanet Jacksonなど、様々な有名アーティストと共に仕事をこなしてきたプロデューサー・ユニットです。
「都会的」という言葉がぴったりと当てはまる空気感、積極的に流行を取り入れつつ、かといって押しつけがましくない繊細な味付けのビート・メイキングは注目を集め、瞬く間に彼らの名は広まって行くことになります。

聴く人、場所を選ばない上質なサウンド

そこはかとなくアフリカンな模様のアートワーク、小鳥のさえずりと共に奏でられる穏やかなフルートといった、民族音楽を彷彿とさせる導入。

硬質なビートにアシッド・ジャズライクな動きと空白に思わず意識を傾けずにはいられないベース、この手のサウンドには欠かせないエレクトリック・ピアノが一気に参加した瞬間、都会の街並みが先ほどまでの雰囲気を大胆に上塗りする「Aurora」に始まり、繰り返されるギターのフレーズがいつまでも耳に残る感覚に。

また、中層を抜き取ったような四つ打ちのビートと共に徐々に加えられていく変化が楽しい「Pretty Big House」など、収録曲は4曲と少ないながらも、その全てが高いクオリティをもって私たちの生活を彩る1枚に仕上がっています。

自分の新たな一面が見つかるかも?

全曲インストゥルメンタルで構成された「Sketches」は、その空間や共にする人との会話、場所を楽しむためのBGMとしての相性もバッチリですが、環境音やサウンド・エフェクトを含めて聴く人を楽しませる要素もたっぷり盛り込まれ、その世界に潜り込むように聴き込むのにも最適な作品です。

じっくりと堪能する時間が終わるころには、楽曲の洗練された空気感が自分自身にも分け与えられたかのような、無意識にちょっと背筋が伸びた気分になる本作。お気に入りの服やアクセサリー、持ち物のように心に纏うアイテムとして、確かなパワーを与えてくれるオススメの1枚です。