退屈なんてしてる場合じゃない。Kennebecのデビューアルバム「Departure」

彼の職業は教師であり、映像音楽家、プロデューサー。そしてアーティスト。

アメリカはポートランドに拠点を置き活動するKennebec
上で上げたようにいくつもの顔を持つ彼は、TV番組はもとより映画やゲームなどの作曲も手掛けるスペシャリストです。

今回リリースされたデビューアルバム「Departure」は、彼が2017年に過ごしたオリンピック半島での体験をアウトプットする為に、2年間という長い時をかけて制作されました。

耳に馴染む、新鮮な楽曲

アルバム・ジャケットからも感じ取れるように、今作に収録された楽曲は満遍なく「和」の空気を纏っており、我々日本人にとっては、馴染みあるフレーズや音選びが見受けられます。

アルバムを再生した瞬間から、ドアを叩いた私たちを優しく、落ち着いたトーンで迎え入れてくれる「As We Grow Older」に始まり、案内された先にある景色はまさにジャケットのイラストにあるような、水と木々が発する生命の伊吹にも似たオリエンタルなフレーズの繰り返しが心地よい「Seasons Change」。

 
温かみのあるシェイカーや木のビートに包まれて舞い踊るストリングスが幻想的な「Kalahari」、都会的なベースラインの上でテーマを奏でるホーンやストリングスがグルーヴを静かに燃え上がらせる「Quest」など、コンセプトは一貫していながらも、楽曲ごとの表情の豊かさは抜群です。

「出発」の意味を持つ1枚。

「Departure」に収録された楽曲群は、どこか聴いたことがあるような懐かしさと同時に、その独特な楽器構成によって節々に感じる異国感と、新鮮さを併せ持っています。

今年もまた、出会いと別れの季節が近づいてきました。

心機一転のときも、変わらぬ毎日を過ごしているときも、この作品と共に扉を開けた先の世界が美しく、素晴らしいものでありますように。

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